店主のコダワリ
羽沢耕悦商店は、昭和6年(1931)に創業し、製造方法を頑なに守りながら、現在でも木炭で焼き麩を焼いている「ヤキフ屋」です。
岩手県北部では多い時には約80カ所の焼き麩製造所がありましたが、食生活の多様性による影響や後継者不足等から、現在では5カ所にまで激減しました。
そんな中、当店では、焼き麩本来の噛み応えのある焼き麩を食べてほしいことから、ふたつのことを守り抜いております。
●こだわり1
原材料のグルテンは3ランクある中で最上位の物を使用し、小麦粉は岩手県産の南部地粉を主に使っています。さらにグルテンに対して小麦粉の使用割合を極力控えることで、焼き麩本来の噛み応えのある食感を追求しております。そのため、味噌汁やすき焼きの具材として、時間が経っても噛み応えがあります。
●こだわり2
焼き麩を地元の木炭を使い、直火焼きで焼いています。ガス焼きと違う仕上がりと味に評価をいただいています。
●店主のおすすめ
当店のおすすめは、「炭火焼 南部手焼丸麩」です。汁もの、炒め物など、さまざまな料理に使いやすいと好評です。
贈り物などには「炭火焼 南部手焼き板麩」をどうそ。単品のほか、ギフト用として6袋入や10袋入もございます。
1本ずつ丁寧に手焼きしたこだわりの焼き麩をぜひ一度、ご賞味くださいませ。
炭焼きの準備
当店は、焼き麩製造には欠かせない黒炭を使って焼き麩を焼き上げていきます。
火入れをして、火が安定するまで工場の温度は高温になります。
黒炭は、岩手県のナラ材を使用し、けむりが出にくく、異臭のない、炎が安定する上質のものを使用します。長時間燃焼する炭は高価になりますが、いい焼き加減と風味になります。
小麦粉からグルテンの抽出
グルテンは原料の小麦粉に水を加えパン生地のような小麦粉の固まりを作るところから始めます。
出来上がったその固まりを今度は水で何回も洗うことで、植物性たんぱく質・グルテンが抽出されます。小麦粉を洗うという方法は、お麸ならではの行程作業となります。
生地をこねる
焼き麩の生地は、グルテンに小麦粉を加えて、こねて作ります。生地は気温に左右されやすく、夏は長い時間、おいておくと粘りが弱ってきます。なので、その日の気温や湿度にあわせて、配合やこねる時間を決めます。
生地を棒に巻きつけます
ここが職人技のポイントで、小麦粉で出来た生地をうすく均等に、斜めに巻きつけていきます。これは、見た目よりは大変な作業です。
慣れるまでは、幾度となく失敗を重ねた日々もありました。
炭火の温度を調整しながら焼きあげ
そして、回しながら炭火の温度を調整しながら焼きあげます。季節や湿度等によって炭火の温度を調整しなければなりません。
表面がツルとする食感は、炭火ならではの遠赤外線効果ではないでしょうか。
自然乾燥させます
焼きたての焼き麸は、口の中に入れるとふんわりと軟らかく、噛めば絶妙な食感です。口の中には香ばしい小麦の良い香りが広がります。